+--[12] 外国人料金--+

 今でこそ存在しなくなった(本当か?)が、
以前は何かにつけてこの国では「外国人料金」というものが存在した。

 飛行機、汽車、ホテル、果ては紙幣までが別モノだった。

 もとが外貨であったことを示す貨幣は中国銀行発行の外匯兌換券(FEC,ワイフォイ,waihui・・・)といわれ、
外国人が換銭をした際に受け取るのがこれだった。
このお金と一般の中国人が使っていた中国人民銀行発行の人民幣(RMB,レンミンピー,renminbi)があり、
1つの国の中で2種類の貨幣が流通している妙な光景があった。

 このFECとRMB、額面上の価値は全く同じだったのだが、
FECは前述の通り元が外貨だった貨幣なので、 本来外貨でしか購入できない輸入品や高級品を安く買うことができた。
外国人向けの商店ではこのFECしか使えないところもあり、 また、当時高価でなかなか手の出なかったカラーTVなども
これで買えばRMBより安く買うことができた(或いは買うことができた)。

 それで、FECでしか買えないものを手に入れるためにFECとRMBを交換するブラックマーケットが横行した。

 バックパッカーにすれば、飛行機などのチケットを除けば、FECでしか買えないものにはほとんど興味がない。
少しでもお金が多いほうがありがたい。
FEC100元に対しRMB120〜150元くらいのレートで取引されていたように記憶している。

 外国人用のホテルや商店の前には「チェンジ・マネー?」と声をかけてくる人の波ができていた。
ウイグル人などの漢民族と明らかに顔つきの違う人たちも多くいた。

 ホテルへ戻るとき、出るときにはその人の波をかきわけ、
かけられる声に対し「不要(buyao)」と答えるのが日課だった。

 この外国人料金のおかげで後に迎える新婚旅行は悲惨なものになる。

次へ次は、 [13]濁った水