+--[7]謝謝儂、上海。--+

 帰りの飛行機はJALのファースト。
あとにも先にもこの時しか乗ったことがない。
まずスリッパが違う。機内食のメニューが違う。ワインリストがある。
周囲の客人が年配の人や欧米人ばかり。
汚い格好をして例の紙袋を下げた高校生はすっかり浮いてしまった。

 でも、スチュワーデス(って今は言いませんね)のお姉さんは仕事だから平等に接してくれる。
食事だってままごとのような皿にはのってこない 一品ずつ陶器の皿にのりやってくる。
それまで毎日バサバサのごはんと、怪しげなジュースなどを飲んでいたので、
それはそれで感動もので、いい記念になった。

 リュックの中には残ったお金や、買ったものの包み紙、メモや新聞、ホテルの便箋、
なんやかんやと人からみればただのガラクタのような私のシアワセがいっぱい詰まっていた。

 初めから終わりまで人の出会いで救われた旅行、これで私は進路希望を大きく変更することになった。

 謝謝儂(xiaxianong=上海話=ありがとう)、上海。

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