シャンハイクラシノテチョウ

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上海19参Ⅲ老場坊・其の弐

2013.01.19 Saturday | 街角探険

続きです。
迷宮の中を歩くのは大変です。
どこからどのように攻略していけばよいのかがわかりません。
そーっと階段をのぞきこんでみます。

上海19参Ⅲ老場坊9

何だか怖い。のでここはパス。

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スロープになっているこの道は「牛道」。
この道を牛が歩いて2階と3階にあった加工処理の部屋で
食肉へとなっていったのです。
なぜか突然『ドナドナ』のメロディーが口をついて出て来て、
母娘二人で♪あ〜る晴れた ひ〜るさがり……♪と歌いながら
この道を歩きました。

上海19参Ⅲ老場坊11

この歌が牛のことを歌っているのではない、ということを
知ってはいたのですが、それでもこのスロープを下っていると
浮かんでいるのはやはりこの歌でした。

上海19参Ⅲ老場坊12

牛はこの道を歩く時、自分の最期を感じていたのだろうか、
毎日百頭以上の牛がここへ運ばれて来たというから、
わずかな間隔だけを残して列をなして歩いていたのだろうな、
そんなことを考えていると、フクザツな気分になります。

上海19参Ⅲ老場坊13

その牛道から見える複雑に入り組んだ道、
いろいろな幅があります。
牛の大きさを仕分けたり、病気の牛を選別するために
設けた通路など、一見ごちゃごちゃになっているように見えるそれらの道は、
実に合理的にかつ衛生的に作業ができるように作られていたそうです。

上海19参Ⅲ老場坊14

この建物は英国人のBalfoursという人の設計で、
極東初、極東一の屠畜場だったそうです。
同様の規模の物が当時アメリカと英国にあって、
それらも彼の設計だったそうなのですが、
彼のフルネームがわからないこともあって、
彼の細かなプロフィールやその2カ所の屠畜場の写真が見つからず、
とても気になっています。

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かくれんぼできます(いや、しなくていいです)

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空中舞台の床だともうわかっているのに、
少し歩いては天井を見上げてシャッターを切ってしまいます。

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歩いて来た道を振り返って見つめ直してしまいます。

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下りながら見入ってしまいます。

そう、「何々したい」というよりも、ついつい「してしまう」、
そんな空間が広がっています。

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ある場所から観るととても直線的な世界が広がり、
また別の場所から観ると曲線的な世界が広がる、
直線と曲線の混ざりあう複雑な構造が
独特の美しさを出しています。


「其の弐」で終わるつもりだったのに、まだ続きます。
author : 二姐 | - | -